新入社員のときに生保レディに勧められるがままに加入し、結婚したら代理店の言うとおりに保険を増やし、内容もよく把握していない。そんなあなたが何気なく保険の見直しをしてしまうと、大損するかもしれない。

見直す前に確認。あなたの保険は「お宝保険」かも!?

八ツ井 慶子(やつい・けいこ) ファイナンシャルプランナー。1973年、埼玉県生まれ。「家計の見直し相談センター」を経て独立。個人相談を中心に執筆、講演を行う。著書に『お金の不安に答える本 女子用』など。

保険は万一の生活を支える重要な保障だが、入院や死亡など、支払い条件を満たす事故が起こらなければ保険金は一切入ってこない。景気回復の兆しはあるものの、いまだ不透明感は強い。結婚、子どもの誕生・独立、退職など、ライフスタイルの変わり目には保険を見直して、保障は最小限に抑えて資産形成をしておくのが賢明だ。

だが、生命保険に詳しいファイナンシャルプランナーの八ツ井慶子さんは「古い保険に比べて、新しい保険が優れていると結論づけるのは早い」という。加入した時期によっては、継続したほうがおトクな商品もある。

そのカギを握るのが生命保険の予定利率だ。加入者から集めた保険料は、保険金支払いのための責任準備金として積み立てられ、その間は債券市場などで運用される。その運用益を見込んで、あらかじめ保険料から割り引いておくのが予定利率だ。予定利率が高いほど保険料の割引率が高いので、同じ保障を得るにも保険料が安く済む。

現在の予定利率は1.0~1.5%が多いが、日本がバブル景気に踊った1980~90年代前半は5~6%と高い予定利率の保険が存在した。その後も96年3月までに契約した終身保険など貯蓄性の高い保険の中には予定利率の高いものもあり、いわゆる「お宝保険」と呼ばれている。