給料からは社会保険料や税金が引かれる

給与明細の3つめのブロックは「控除」、つまり給料から引かれるお金です。引かれるのは、おもに社会保険料(健康保険料、年金保険料などのこと)と税金です。

(1)健康保険料……病気やケガのときに医療費の負担を軽くしてくれるのが健康保険。自己負担は医療費の3割です。社員が出産したときには出産手当金、病気やケガで会社を休んだときは傷病手当金も支払われます。なお、40歳以上の人は介護保険料も上乗せされます。健康保険と介護保険の保険料は、会社と社員が2分の1ずつ負担します。
(2)厚生年金保険料……高齢になったときや障害を負ったり、亡くなったときに年金を受け取るために加入するのが厚生年金保険です。これも保険料は会社と社員が2分の1ずつ負担します。
(3)雇用保険料……会社を辞めたときに次の職を見つけるまでの生活費(失業給付)が支払われる保険です。保険料の6割強を会社が負担し、残りを社員が負担します。
(4)所得税……給与所得にかかる税金で国に支払うもの。概算額が毎月の給料から引かれ、12月の年末調整で正しい税額と精算されます。
(5)住民税……給与所得にかかる税金で、住んでいる市区町村に支払うもの。税率は市区町村によって違います。前年の所得に基づいて計算した後、決まった額が6月から毎月引かれます。このため、新入社員は最初の年には住民税が引かれませんが、2年目の6月から引かれるようになります。なお、会社を退職して収入が減ったとしても前年の所得にかかる住民税を支払わなくてはならないので要注意。

支給欄の合計額から、控除欄の合計額を引いた差引支給額が、実際に給与振込口座に振り込まれる「手取り額」です。給与明細をよく見れば、社会保険料と税金の重さを実感しますね。