住職の奥さんと話せば
良い寺かどうか素人でも瞬時にわかる

寺院墓地の利用者は年々、減少傾向にあります。私たちのところに相談にくる方も、寺院墓地を希望するのは10人に1人の割合。話を聞いてみると、民営や公営に比べ料金が高いこと、墓地を使用するには原則的に檀家にならなくてはいけないことなどが敬遠される理由のようです。

その一方、手厚い供養や管理、手近なロケーションは大きなメリットで、最近は寺院墓地の魅力が見直されつつあります。大まかにいうと、地方ほど檀家離れが進んで墓地が余り、逆に都内など人口集中地域は人気があって購入は困難、という二極化が進んでいる傾向にあります。

地方と都市部では、当然、墓地選びの注意点も違います。地方の場合、まず気をつけたいのは、檀家離れのリスク。檀家の数が減れば、お寺の維持管理は難しくなり、檀家1人あたりの負担も大きくなります。例えば本堂の建て直しなどがあると、相当な出費を覚悟しなければなりません。また檀家離れが深刻化すると、廃寺や大寺院による兼務の可能性もあります。寺院墓地を選ぶ際は、檀家数の増減傾向や兼務になった場合どこが管理するのかなど、確認しておいたほうが無難です。

そのほか、お寺の立地や格、住職の人柄などのチェックも重要ですが、見逃せないのが住職の奥さんとの相性です。奥さんは、境内の掃除から檀家との連絡、住職のスケジュール管理までこなす縁の下の力持ち的存在。私の経験上、奥さんの対応がしっかりしているお寺は、9割以上の確率で良いお寺でした。初めて電話をするときには、こちらの話を最後まで真剣に聞いてくれるかどうか。お寺は悩みを聞く場でもありますから、その点で違和感があれば、避けたほうがいいでしょう。

檀家の規約(檀信徒契約)の内容も大切です。規約には、護持会費や年間行事への参加など、檀家の義務が書かれています。あとで思い違いがあって檀家を抜けたいと思っても、お墓が絡むと簡単にはいきません。不要なトラブルを避ける意味でも、忘れずに事前に確認をすべきです。


 都市部の寺院墓地も、チェックすべきポイントは基本的に同じです。ただ、人気の高い都市部では、お寺選び以前に、売りに出ている墓地を探すのが一苦労。実際に墓地が空いていても、檀家が分家した場合に備えたり、お寺の後継者に収入源を残すという意味で、なかなか売りに出さないのが実情です。

自分で探す場合は、宗派の本山や各管区の宗務所で希望エリアのお寺を調べ、直接問い合わせるのがいいでしょう。早い段階から檀家になり、行事参加や寄付を通してお寺に貢献すると、墓地を売ってもらいやすくなります。

インターネットの墓地情報サイトを活用する方法もありますが、お寺はビジネスでやっているという印象を持たれることを嫌うため、レアな情報ほどなかなか掲載されません。

そこでお勧めしたいのが、石材店からのアプローチ。石材店の中には、地域の寺院に強い、昔ながらの中小業者もあり、一般に出てこない墓地情報を持っていることがあります。ときには「現地に行くまでお寺の名前は伏せたまま」というような、貴重な情報を紹介してもらえるケースもあります。