では、こういった「異質な人」を戦力化できる上司というのは存在するのでしょうか? 『三国志』に出てくる曹操と劉備という2人のリーダーを例に挙げましょう。曹操は自分も大変能力が高く、自分と似た能力がある人間だけを周りに置くタイプ。一方、劉備は、本人はそこまで能力がないのですが、どんな癖のある人間も周りに置いておけます。こういう人を「徳が高い人」と言います。日本人なら坂本龍馬などがこのタイプと言えるでしょう。

滅多にいないのですが、上司が劉備のような「徳の高い人」であれば、本人はさほど突出した能力がなくとも、ホモフィリーとヘテロフィリー両方の力で組織がどんどん発展するのです。ビジネスの現場に置き換えれば、「マネジメント能力」が本当の意味で優れた人と言えるでしょう。

男性であれ、女性であれ、本当にマネジメント力が高い人は、異質な人の力も上手に生かし、同質でも能力のない部下は遠ざけていくものです。ワンマン上司が、自分の価値観に盲目的に従い、かつ仕事もできない部下をかわいがるような事態が長く続く組織には、「周りがイエスマンばかりになる」リスクが高まります。トップが少しでも間違うと、それを誰も正さず、ともすれば組織ごと崩壊するという結果につながりかねません。

理学博士、恋愛カウンセラー 
ぐっどうぃる博士

自身の体験と生命科学的な視点を合わせた独自の恋愛メソッドを展開し、日本最大規模の恋愛相談サイト「恋愛ユニバーシティ」を主宰。最新刊に『モテの定理』。
(構成=白河桃子)
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