2015年4月25日(土)

介護保険の夫負担 世帯所得500万「1%」なのに380万「2%」の不可解事例

介護の常識・非常識【3】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
相沢 光一 あいざわ・こういち
ライター

1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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相沢光一=文
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介護サービスの自己負担率 8月から「年収280万円以上」は負担“2倍”

介護の問題は、身内が要介護になる事態に遭遇しないと、なかなか真剣に受け止めることはないものだと思います。

私自身がそうでした。

高齢社会を迎え、要介護者や認知症の人が急増していることや、そうした人たちが介護保険によって少ない自己負担額で介護サービスを受けているといった基本的な知識はありました。しかし、具体的にどのようなサービスがあって、どの程度の負担をするのかは、ほとんど知りませんでした。

ですから、父親が突然寝たきりになり介護が始まった時は、直面した事態への対応とともに、経済面の不安を感じたものです。

そして実際に介護サービスを受けるようになって、「介護保険とはありがたいものだな」としみじみ思いました。なにしろ自己負担が1割で済むのですから。

父の介護では訪問介護、訪問看護、訪問入浴、訪問マッサージのサービスを利用しましたが、介護ドキュメントの項でも書いたとおり、運よく良いケアマネージャーに担当してもらったおかげで、どの事業者も満足のいくサービスを提供してくれました。

▼介護期間が長引けば負担感ずしり

たとえば、訪問看護師さんです。毎回ふたりでやってきて、連携を取りながら手際よくケアをしてくれました。体温、血圧を測ることから始まり、顔色を見、気分を聞いて症状を探り、床ずれのチェックをし、その兆候があれば座布団を当てて苦痛の軽減を図る。排泄の処理も手際よく、肛門の痛みに対する処置もしてくれました。それも常に笑顔で元気づける言葉をかけながらです。

また、介護する私に対しても、父の状態を少しでも良くする方法、生活のサイクルを規則正しくすることや薬の服用法などを教えてくれました。行うべきケアだけでなく、持っている技術や知識を総動員して父自身や私の不安を取り除くことに努めてくれたわけです。

1時間のそのサービス提供の費用は約1万円。1割負担ですから支払うのは1000円程度です。心のこもった介護サービスをしてくれたうえに多くの不安を取り除いてくれてこの金額は助かりました。他のサービスにも同程度の金額がかかりますから、負担額はトータルで月2万円ぐらいになりましたが、介護期間は1カ月半ほどと短かったので、さほど負担感はありませんでした。

ただ、介護が長期間に及んだとしたらどうでしょう。介護が長引けば受けるサービスも増えるでしょうし、毎月2万~3万円を支払い続けるとなれば、負担を重く感じるようになるかもしれません。

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