2015年4月22日(水)

アジアインフラ投資銀行は中国のワナだ

飯島 勲 「リーダーの掟」

PRESIDENT 2015年5月4日号

著者
飯島 勲 いいじま・いさお
内閣参与(特命担当)

飯島 勲1945年長野県辰野町生まれ。小泉純一郎元総理首席秘書官。現在、内閣参与(特命担当)、松本歯科大学特任教授、ウガンダ共和国政府顧問、シエラレオネ共和国名誉総領事、コソボ共和国名誉総領事。最新刊『孫子の兵法』。

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内閣参与(特命担当) 飯島 勲 写真=時事通信フォト
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世界経済大混乱の後、日本は「第2の敗戦」

これで第三次世界大戦がいよいよ現実になってきたのではないか。

中国が国策として進めている「アジアインフラ投資銀行」(AIIB)に参加表明した国・地域は3月末までに50を超えた。3月12日に英国がG7で最初に参加を決めると、ドイツ、フランス、イタリアも相次いで参加を表明、欧州の主要国が入ったことで、さらに参加国が増えた。今では、世界の先進国の中で、米国と日本だけが慎重派として取り残されている。

さて、この事態にどう対処すべきか。中国の誘いに応じて、ともにアジアの発展に尽くすべきなのか。

結論を先に述べる。日本は米国と協力して、中国の野望を打ち砕くべし。AIIBの先にある野望の本質を見抜いて早めに対処しなければ、日本は、第二次世界大戦に続く「第二の敗戦」を迎えることになる。

そもそもAIIBは、習近平国家主席が2013年10月にアジアのインフラ整備を支援するという目的で創設を提唱したものだ。すぐにASEANに加盟している全10カ国も参加を表明した。まあ、この辺の国々は地理的にも歴史的にも中国との関係が深く、AIIBの投資対象となるところだから、気持ちは理解できなくもない。

バカバカしいのは、欧州各国の対応だ。5月に総選挙を控えた英国では、アジアでのビジネスチャンスを広げて経済界からの支持を得たいという与党・保守党の思惑から参加を決めたようだ。他の欧州各国も似たりよったりで、国内に電力、水道、鉄道などで、世界シェアを争うような大手企業があるドイツやフランスも目先のエサに釣られたようだ。

AIIBは本部が北京、総裁も中国人、出資金額の大半も中国。投資先は中国の都合によって決められ、決済は人民元が優先されるという話まである。中国が影響力を行使するための組織でしかない。

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