マタハラ加害者の第1位は直属男性上司ですが、4位は直属の女性上司。性別でみると男性約55%、女性約30%となっています。

職種別にみていくと「一般事務」「医療福祉介護サービス系」「教師、講師系(保育園、幼稚園含む)」が多く、女性同士が同じ仕事を分担し合い、女性が休むと女性にしわ寄せがいく職場が多いことがわかります。また長時間労働が多い「広告、編集、制作系、WEB、インターネット系」からもマタハラNetに寄せられる相談が多いそうです。

多くの女性たちを取材していると、「両立に苦労するワーキングマザーの声」もたくさん聞こえてきますが、それをサポートする立場の人たちの悲鳴も、聞き逃せないほど大きくなっています。

「もちろん、子どもが産まれるのはうれしいことだし、お祝いしたい。わかってはいるんですけどねえ……でも独身の私たちの仕事はどんどんきつくなる」

私に苦笑まじりで打ち明けてくれる彼女たちはもちろんマタハラなどはしていませんが、日に日に大きくなるワーキングマザー擁護の声に、言いたいことが言えない状況なのも事実です。

本当はサポートしあうべき仲間と快く協力し合えない。これは日本の労働現場が抱える「長時間労働」と「仕事量の限界」を意味しています。

「仕事の効率化」をはかり、本当にいる仕事といらない仕事を見極める。そして、洗い出してなお長時間労働なら、それは人員に対して、対応できないほどの量の仕事があるということです。

マタハラを防止するには、「こんな言動はマタハラになる」「この時期の異動や、契約を更新しないことがマタハラになる」という研修をするだけでなく、「サポートしてくれる職場の同僚の労働条件の改善」が必要と、マタハラ白書でも言及されています。