位置決めスイッチで世界シェア7割

世界最小級サイズの精密位置決めスイッチ。

メトロールは、工作機械や製造装置をはじめとした様々な機械の動作原点を精密に測定し、制御する精密位置決めスイッチの専門メーカーである。

例えば、工作機械では加工中に刃先が摩耗したり、刃こぼれが起きるが、そのまま加工し続けると当然ながら不良品を作ってしまう。また、工作機械自体が破損することもある。従来、職人による熟練作業によって調整していたが、メトロールが精密な位置決めスイッチを開発したことで、ラインを止めずに正確に加工し続けることが可能になった。その結果、ラインの自動化が進み、24時間稼働も実現。生産効率は3~4割も高まったというのだから、産業界への同社の貢献度は高い。

位置決めスイッチには、光や磁気を利用した非接触式のセンサを用いたものもあるが、工作機械内では熱や電磁波による誤検知を起こしたり、油や切り屑も飛び散るので、精度がよくなかった。

こうした中で、現社長の父であり創業者の松橋章氏が接触型の機械式精密位置決めスイッチを開発、300万回使用しても誤差は1000分の1ミリの精密さで、価格も非接触式に比べて10分の1という安さで市場を席巻、マシニングセンター向けでは世界シェアの7割を握るトップメーカーとなった。こうした精密な機械式位置決めスイッチを作れるメーカーは世界で、メトロールとスイスの企業1社しかない。

現在では圧縮空気の圧力変化で500分の1ミリの交差を検知する非接触式の「エア式精密着座センサ」も開発、悪環境下でも利用できるために売れている。

同社のスイッチ類は約700種もありながら、海外からの注文でも1週間以内に納品できる。1998年からインターネットを使った受注を始め、得意先以外の大口注文は円建てで先払い、小口注文はクレジットカード決済を徹底しているので、為替の変化を受けず、売掛金の回収事故もほとんどない。リーマンショック後も、翌年には過去最高の売り上げと利益を計上し、毎年2ケタ成長を続けている。その国際競争力は大手も一目置くほどだ。