大企業の「中高年非管理職」が危ない!

そうなると高度プロフェッショナル制度の当面の対象者は「大手企業の中高年非管理職」になりそうだ(もちろん、いずれ年収要件が下げられれば、さらに対象者が増える)。

じつは塩崎恭久厚生労働大臣は国会の答弁で興味深い発言をしている。

「高度プロフェッショナル制度の対象者は管理職の下の一般社員ではなく、管理職のランクぐらいか、ちょっと下のスタッフ的立場にいる専門的な方々を主に思い描いています。言ってみればその両方にかかるボーダーライン的な方々で、とくに能力のある方、そして1075万円以上の年収を得られるような方々が対象だということをわかっていただければと思います」(2015年3月10日の衆議院予算委員会第五分科会。民主党の山井和則衆議院議員の質問に答えて)。

いみじくも企業が残業代をなんとかしたいと思っている「名ばかり管理職」や「専門課長」と政府が想定する対象者が一致することになる。おそらく法案が成立すれば、2016年4月の導入に向けて大手企業が動き出すだろう。

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