運動会に表れる男子と女子の違い

一人ひとりを見た場合、性別でその人の性質を語ることはナンセンスである。しかし、集団となったとき、男女の違いはある。象徴的なのは運動会だ。

ほとんどの男子校は、学年を縦割りにした「組対抗」で争う。高3が中1を指導したりする。共学でもほとんどこの形式だろう。

しかし少なくない女子校で、運動会を「学年対抗」で行う。高3と中1がリレーで競ったりする。勝負は見えている。それでは面白くないのではないか。しかし女子校の教員によれば、女子は、勝ち負けよりも、自分たちのチームワークを高めることに重きを置くから、学年対抗のほうが盛り上がるとのこと。ある女子校では縦割りでの運動会を実施していた時期もあったが、「つまらない」と生徒から不評を買い、結局学年対抗に戻したという。

男子は「命令」によって縦型の組織を作るのが好きだが、女子は「共感」によって横型の組織を作るのが好きということだ。

集団としてみたときの男女の違いが何に起因するのかははっきりしない。脳の構造が違うからという説が有力ではあるが、反論もある。いずれにしてもやはり男女は違うようなのだ。このことからも、学校において、男女を分けて教育することには、一定の意義があると考えることができる。

そして、東大合格者数ランキング上位に来るような伝統校においては恐らく、長い歴史の中で自然に、男女それぞれに最適化された教育が行われるようになったのだろう。

男女別学校の教育の実態については拙著『男子校という選択』『女子校という選択』および『名門校とは何か?』をご覧いただきたい。