具体的な対象業務は省令に記載される

新制度の中身を紹介しよう。「高度プロフェッショナル制度」は法律には「高度の専門的知識等を要するとともに業務に従事した時間と成果との関連性が強くない」といった文言だけが明記され、具体的な対象業務は省令に記載されることになっている。審議会の報告書では例示として以下の業務を挙げている。

金融商品の開発業務、金融商品のディーリング業務、アナリストの業務(企業・市場等の高度な分析業務)、コンサルタントの業務(事業・業務の企画運営に関する高度な考案又は助言の業務)、研究開発業務等

あくまでも例示であり、これだけでは自分の業務が対象になるのかどうかわからないだろう。じつは厚労省は、高度な職業能力を有する年収1000万円以上の業務(管理監督者を除く)について事前にヒアリング調査をしている。その具体的事例の一部が審議会で公表されている。業種は証券、銀行、情報通信、製薬の4つ。その具体的業務とは以下の通りだ。

【証券】
・ファイナンス・M&Aに関するアドバイザリー業務
・有価証券の売買業務
・金融商品の開発業務
・企業・市場等の分析業務
・対法人向けの金融商品の営業
【銀行】
・有価証券の売買業務
【情報通信】
・システムエンジニアの業務
・コンサルタントの業務
・営業
【製薬】
・研究開発業務
・管理部門(財務、人事、法務)
・営業(MR)
・製品の生産技術の開発業務