着ぐるみタレントの「プロ意識」

ところで、きぐるみ専門の芸能事務所があるというので、「プロ」の話も聞いてみた。答えてくれたのは、Bさん(26歳・女性)だ。

「きぐるみタレントは大きく分けて、アクションヒーローものと可愛いきぐるみ系に二分されます。私は新人の頃から動物系のきぐるみ専門。基本的な動きのトレーニングはありますが、キャラづくりはタレントに任される部分が大きいです。そのキャラクターの設定や個性に応じた動きを研究し、周囲からどのように見えるかを念頭においてアクションを考えます。ちょっとでも人間っぽさが出ると子どもの夢を壊すので、一瞬たりとも気が抜けません。また、違う人が入るとちょっとした動きに違和感が出るので、基本的にひとつのキャラには同じタレントが演じます。キャラによっては本格的なダンスの訓練が必要なものもあります」

Bさんの将来の夢は「有名テーマパークの人気キャラクターに入ること」だ。ただ、彼女の身長は158センチなので、きぐるみを着ると子どもと並んだときにやや威圧感が出てしまう。「舞台でダンスを専門に担当するキャラクターは比較的背が高くでも大丈夫なので、私はそちらを目指しています」と目を輝かせた。

自分を常に客観的に観察し、人に楽しんでもらうことだけを考えているBさん。ゆるキャラ経験によって、人は心も体も磨かれ、自分以外の人に対する寛容さやサービス精神を高めることができるのだ。

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