世界最強の投資銀行「ゴールドマン・サックス」、世界最高のコンサルティング・ファーム「マッキンゼー・アンド・カンパニー」、そして世界最上級のビジネススクール「ハーバード」の超エリートたちが大切にする“仕事の基本”とは? この2社1校で実務、学びの経験を経て、現在自身の企業を経営する戸塚隆将さん。エリートのエリートたる所以は、基本作法と習慣にあった!

名前は“3回”口に出して覚える

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名前を覚えるのが苦手で、名刺交換した相手の名前すら間違えるという人もいる。が、これはビジネス上、大変失礼とされる行為なので注意したい。

HBSの教授は100人近い学生1人1人の名前を覚え、間違えることなく確実に呼び、質問するという。

「名前を覚えて呼び合うことは、人間関係づくりの根っこ。ここが強くなければ、いいコミュニケーションは築けません。自分自身を相手の記憶に残したいなら、まず自分から相手の名を記憶するのが先決です」

ビジネスを進めるうえで、コミュニケーションは欠かせない。さらに関係を深めるためには、相手のバックグラウンドを把握し、お互いの距離を縮める必要がある。名前を覚えることは相手を知る第一歩だと戸塚さんは言う。

「人は自分に興味を持ってくれる相手に自然と好意を抱くもの。初対面の場合でも、最初、途中、最後と、最低3回は相手の名前を口に出し、簡単な質問を投げかけることで興味を示し、結果、関係が深まっていく」

実は、これは初対面の名刺交換時にも実践できる。名刺を受け取って相手の名前を口に出し、さらに相手の名前を呼びながら「出身地」などを質問することで、コミュニケーションが自然に生まれる。先にも述べた、実は「ミーティングの冒頭部分の雑談」がビジネスで重要だというのは、こうした人間関係づくりにも起因する。

「2回目に会ったときに、前回出た話題を振ってみるなど、自分が相手に興味を持っているという姿勢を示すことで、仕事が円滑に進むのです」

表面的な興味ではなく、出会いから何かを学ぶ姿勢で臨むと、相手も自然と自分に関心を抱くようになるのだという。

まずはお互いの距離感を狭めることがコミュニケーションの基本であり、名前を覚えることはその前提条件であるといえる。