メールは、“即”返信する

実は、仕事の評価が高い人間ほどメールの返信スピードが速い。日本の大企業でも、役員に上り詰める人ほどメールコミュニケーションに長けている人が多いのが事実であり、これは世界共通のよう。

「ゴールドマン時代に驚いたことは、世界中の敏腕バンカーたちのメールレスポンスの速さ。時差があるにもかかわらず、私が夜中に質問メールを発信してから6時間以内、私が朝一番にメールを確認できるようなタイミングで返信されていました」

世界中を飛び回るほど多忙を極め、複数のプロジェクトを同時進行させているゴールドマンの敏腕バンカーたち。ここでもできる人間ほどレスポンスの速さが際立つという。

「会社の看板を背負って仕事をしている以上、メールの返信如何でも会社の評価が変わる。結局その評価は自分に跳ね返ってくる。そういったことをしっかりと認識したうえでメールのレス対応をしたほうがいい」

メール受信が1日100通とすれば、返信も100。返信が遅れれば遅れるほど返信しなければならないメールが雪だるま式に増えていく。ならば、即返信しない理由はまったくない、と戸塚さんは言う。

「レスポンスのタイミングは、自分の名刺と一緒と考えたほうがいい。相手にとっては、どんな人間なのかを想像できる情報のひとつ。返信が遅れるほど、相手は不安になり、自分に対する評価も下がる」

ビジネスでは、レスポンスが速いほど「一流のプロフェッショナル」であるという共通認識がある。内容によっては、回答に時間を要する場合もあるだろう。そんなときには、その旨を即返信すればいいだけの話で、むやみに返信を先延ばしにする理由はない。

「できるバンカーほど、その深い経験に基づく意見を、簡潔なポイントで伝えてきます」

「スピードより質」というのは、できない人の「いいわけ」なのである。