若手ビジネスパーソンが同郷の経営者から学ぶ「わかやま未来会議」。記念すべき第1回のゲストは、日産の志賀俊之副会長。「和歌山日産の社長になる」という目標で入社した志賀氏は、なぜゴーン氏とともに改革をやり遂げることができたのか。講演の一部始終を再現しよう――。

自分なりの目標を持つことが大事

“仕事ができる人”と“リーダー”は違います。

志賀俊之・日産自動車副会長は修羅場体験を語った。

仕事ができる人は、業界・市場の知識や専門の知識などの「ナレッジ」、語学力やプレゼンテーション能力などの「スキル」、積極性やまじめさなどの「コンピテンシー」が豊かで、一人で結果を出せる人です。この3つを磨くためには、「目標」と「競争意識」が欠かせません。目標はどんなものでもいいので、「持つ」ということが大切です。

私が日産自動車に入社したときの目標は「和歌山日産の社長になる」ことでした。私の父は和歌山日産に入り、最初は修理を担当し、後に営業の仕事に従事していました。そして私が大学3年生のとき、いよいよ役員に手がかかるというところで、日産自動車の課長がそのポストに就いてしまいました。そのとき「ローカル採用ではダメだな」と思い、「自分が日産に入り、和歌山日産の社長になって戻ってくる」と目標を定めたのです。だから入社のときから、経営者になるなら財務も人事もわからないといけないと考え、その分野について必死に勉強しました。

私は競争意識も強かったと思います。中国担当になったときは、競合メーカーの中国担当者のところへ会いに行って自分の実力を確認しました。私のほうが中国の歴史や文化をよく知っていて、中国語の力も上だと自負していたので、ライバルを訪問し「よし勝った」と確信を得たこともあります(笑)。もしライバルに負けていたら、勝てるように努力すればいいのです。

ここまでが仕事のできる人の話です。