脱自己流! 報・連・相、会議、文書作成の「型」を覚えよ

■その後の人生を変える小さな差

『入社1年目の教科書』
  岩瀬大輔/ダイヤモンド社

今年、ライフネット生命保険、副社長から社長に昇進した新世代のビジネスリーダー岩瀬大輔氏が教える仕事の「原理原則」とその具体的な実践方法。例えば、上司はそもそも新人に100点満点は期待していないので、「50点の仕上がりでいいから早く上司に提出する(そして、アドバイスを受けて修正・改善する)」など、ちょっとした行動の差が、その後の大きな評価の差にもつながる。また遅刻をしないように定刻の15分前には出社して仕事の準備をする、といった超基本の大切さを、経験に基づいたエピソードを交えて紹介する。

■論理的思考習得の決定版

『MBAクリティカル・シンキング(改訂3版)』
  グロービス経営大学院/ダイヤモンド社

ビジネスに必須の論理的思考力を、豊富な演習と事例で教える本。クリティカル・シンキング(批判的思考)とは? 演繹的&帰納的思考とは? いかに状況把握する? 因果関係のひも解き方は? など。コミュニケーション、意思決定、説得・交渉・コーチングなどあらゆるシーンで役立つメソッド集。

■特異な体制を冷静に分析

『99%の人がしていないたった1%の仕事のコツ』
  河野英太郎/ディスカヴァー・トゥエンティワン

仕事の出来はマジメに取り組んでさえいれば上がるわけではない。大事なのは、コツを押さえること。そんなコンセプトのもと、会議、メール、文書作成といった各ビジネスシーンでの「正しいやり方」を伝授。続編『99%の人がしていない たった1%のリーダーのコツ』は上司心理を読むのにも重宝。

■壮大な夢を実現する青春群像

『坂の上の雲 全8巻セット』
  司馬遼太郎/文春文庫

歌人・正岡子規と軍人の秋山好古・真之兄弟の3人を軸に、明治維新から日露戦争の勝利にいたる明治の日本を描く(全8巻)。「現在のビジネスでいうキャリアゴールやビジョンは、すなわち“坂の上の雲”なんです。仲間と手をたずさえ、前に進もうという気持ちにさせてくれます」(河野氏)。

■無気力な自分から脱出できる

『宇宙兄弟』
  小山宙哉/モーニングKC講談社

幼いころに宇宙飛行士になる約束を交わした兄弟が、異なった人生を進みながら互いに宇宙を目指して奮闘する姿を描く。河野氏曰く「無気力な自分から脱出できる漫画」。リーダーとは何か、約束とは何か、夢とは何か。漫画だからと侮ることのできない本質的なテーマ。まさに新入社員向け。

 

作家・コンサルタント 河野英太郎
1973年生まれ。東京大学卒業後、大手広告代理店、外資系コンサルティング会社、IT企業部長職などを歴任。大企業グループほか複数社の人事制度改革リーダーや巨大プロジェクトのプロジェクトオフィスリーダーを担当。上記の自著『99%の人が──』は2013年ビジネス書大賞書店賞を受賞。続編を含めた累計販売部数は59万部。
(大塚常好=構成 堀 隆弘、キッチンミノル、早川智哉(本)=撮影)
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