偉大な企業への飛躍

ウェディングサービスに求めるものは、地域によっても顧客の年齢層や嗜好によっても実に多様である。アイ・ケイ・ケイは、その多様なニーズに真摯に向き合い、それぞれの地域の人々に愛され続けることを目指し、「お客さまの感動のために」弛まぬサービス革新を愚直に続けている。そうした弛まぬ革新が可能なのは、理念の共有によって築かれた信頼の文化がベースにあるからだ。

今回の事例を取り上げるにあたって、筆者にはある本で描かれている組織の特徴を仮説としてもっていた。それはジム・コリンズの著作シリーズの中でも評価の高い『ビジョナリー・カンパニー(2)飛躍の法則(Good to Great)』に描かれている偉大な企業(Great Company)の条件だ。

自分たちの戦い方を慎重に見定め、フォーカスを絞りこみ(針鼠の概念)、愚直にやるべきことを徹底する(弾み車をまわす)。理念に基づく厳格な人事、特に人物重視の採用(誰をバスに乗せるか)では妥協しない。率いている経営者は、私欲なく謙虚だが組織としての理想の追求には貪欲なリーダーだ(第5水準のリーダーシップ)。

同社の組織運営はこれらの特徴に符合している。佐賀の地方企業から全国区の一部上場企業へと成長し、世界一のウェディング企業を目指すアイ・ケイ・ケイが、「偉大な企業」としてさらに飛躍を果たすことを期待してやまない。

竹内秀太郎(たけうち・しゅうたろう)●グロービス経営大学院主席研究員。東京都出身。一橋大学社会学部卒業。London Business School ADP修了。外資系石油会社にて、人事部、財務部、経営企画部等で、経営管理業務を幅広く経験。日本経済研究センターにて、世界経済長期予測プロジェクトに参画。グロービスでは、人材開発・組織変革コンサルタント、部門経営管理統括リーダーを経て、現在ファカルティ本部で研究、教育活動に従事。リーダーシップ領域の講師として、年間のべ1000名超のビジネスリーダーとのセッションに関与している。Center for Creative Leadership認定360 Feedback Facilitator。共著書に『MBA人材マネジメント』『新版グロービスMBAリーダーシップ』(ダイヤモンド社)がある。GLOBIS知見録にて『変節点に見る理念経営』を連載中。>> http://globis.jp/column_series/column-46/
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