女性の「昇進に対する不安」への対応

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手放せない仕事道具:手帳とペン。役員就任時にチームのメンバーからもらったプレゼント。

当社では社員一人ひとりにキャリアカウンセラーを置いて、昇進意欲がわかない理由を尋ねたり、仕事の動機づけに努めたりしています。管理職手前の女性社員にはスポンサーを置いて、適切に成長の機会が与えられているかどうかなども確認します。

女性の場合、“100%主義”のタイプが多いのも影響しているように思えます。周囲の人が「彼女なら任せられる」と判断しても、本人は自分の実力を控えめに見積もっているようなケースです。内心では「自分にできるだろう」と思っていても、一度は「考えさせてください」と答えるのが普通です。

そのカウンセラーが男性の場合、「そうなんだ、昇進の意欲がないんだ」と単純に思い込みがちです。しかしよく考えてみれば、コンサルティング業界に自分の意志で飛び込んできた女性が、男性よりも昇進意欲がないということはないでしょう。だから、昇進を躊躇したときは「本心からそう思っているのか?」を念押しして聞き、不安要素が何か確認する必要があります。

昇進意欲を表に出して「やります」と宣言した女性については、会社は全面的にサポートします。女性に対して「当社で昇進したいですか?」というアンケートを実施すると、「昇進したい」と答えた女性は、07年の25%から14年は50%に倍増しました。その数字に女性たちの本心が現れていると思います。

取材・構成=Top Communication 撮影=向井 渉