ロールモデルがいなくても

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堀江さんのキャリア年表

最近は、女性が働くうえでロールモデルが必要だという考え方があります。私が若手の頃はロールモデルとして意識する人はあまりいませんでした。一般的にみても上のポジションの人は男性ばかりでしたし、スキルの面で素晴らしいと思える人はたくさんいても、バックグラウンドや特長が違うので直接取り入れることができないこともありました。そんなわけで、身のまわりで「この人のようになりたい」とまるごとを受け入れたいと感じる人に出会う機会はなかなかありませんでした。

でも、この人はこの領域に強くていいな、この人の話の運び方はいいな、と参考になる人はいて、まるでパッチワークのようにいいところどりしてきたように思います。

最近は、身のまわりに働く女性も増え、ロールモデルになるような女性が増えてきたと思います。アナリストの女性をコンサルタントの女性が面倒を見て、コンサルタントの女性はマネジャーの女性に、マネジャーの女性はシニアマネジャーの女性に、シニアマネジャーの女性はMDの女性に見守られているので、「あの人が手がけている仕事は次は自分が担当するのだ」と身近に具体的に感じられます。

女性MDの数も十数人に増え、グローバルに活躍する人、ローカルで頑張る人、時短勤務のワーキングマザーなど、すごく多様になりました。MDもかつてのようなバリバリのキャリアというステレオタイプは当てはまりません。

それでも女性のなかには、昇進を打診されたときに踏み切れない人がいます。これは本当にもったいないことです。