「他社がやってるから」で一気に進む!

ダイバーシティ西日本勉強会は2004年に発足。今は35社がチーム制で課題解決にあたり、毎年活動の課題は見直されます。年間2回の中間報告、成果発表会があります。

最大の特色は大手企業から「ワーキングレベルの担当者」が手弁当で自主的に集い、「ざっくばらん」に「出し惜しみなく」情報交換をすること。東京にももちろんこうした勉強会はありますが、主導するのはコンサルタント業務を主にする会社だったり、どうしても公式な色が強くなります。

ダイバーシティ勉強会では各社から各チームに最大3名の担当者が集い、またメーリングリストにも各社最大3名が登録します。フリーライダーが出ないように、社毎の分担業務も決めます。

この勉強会からの成果は「両立支援ハンドブック」「在宅勤務マニュアル」「育児復帰セミナーワークシート」などに生かされています。

「メーリングリストに質問を投げかけると、誰かが必ず答えてくれます」という声も。

そして関西の大手のダイバーシティへの足並みが揃えられることが最大のメリットではないでしょうか?

「上司に『××社さんはやっておられますよー』というと、すぐに『だったら、うちも』と取り入れられやすくなります」

女性は1人でも会社を改革しようとするスーパーウーマンが出ますが、男性は社会的な生き物なので、右見て左見て、周りが変わろうとするとやっと変わっていく。同じく男性が主導する会社も、1社だけでは変われない。大胆な改革をして業績が落ちて批判されることを気にするあまり、決断ができないのです。だから変化が遅れる。足並みをそろえていく工夫が改革の速度を速めるのだと思います。

今進んでいるダイバーシティ、女性活躍支援にとどまらない、介護まで視野にいれた制約社員の活躍支援、さらには長時間労働をなくし、効率的な働き方を目指す「働き方改革」などは、政府のお膝元である東京と地方では、両方をみている筆者には、歯がゆくなるほど違いがあります。

ダイバーシティ西日本勉強会のような取り組みは、地方の企業にこそ参考になるでしょう。

「女性活躍と言われても、東京の大企業の例などはまったく参考にならない。どうしたらいいか?」

そう悩む担当者によく相談を受けます。そんな方たちこそ、各県、各地域の代表企業が集い、こうした勉強会を立ち上げるのはどうでしょうか? その際には、実際に勉強会に集う担当者には、絶対に当事者である「ワーキングマザー」や「子育て世代の共働き男性」を入れることがポイントです。当事者たちが知恵を絞ってこそ、魂の入った制度が立ち上がるのです。

白河桃子
少子化ジャーナリスト、作家、相模女子大客員教授
東京生まれ、慶応義塾大学文学部社会学専攻卒。婚活、妊活、女子など女性たちのキーワードについて発信する。山田昌弘中央大学教授とともに「婚活」を提唱。婚活ブームを起こす。女性のライフプラン、ライフスタイル、キャリア、男女共同参画、女性活用、不妊治療、ワークライフバランス、ダイバーシティなどがテーマ。講演、テレビ出演多数。経産省「女性が輝く社会のあり方研究会」委員。著書に『女子と就活』(中公新書ラクレ)、共著に『妊活バイブル 晩婚・少子化時代に生きる女のライフプランニング』(講談社+α新書)など。最新刊『格付けしあう女たち 「女子カースト」の実態』(ポプラ新書)