競争なき部門に競争が持ち込まれた結果、どうなったか

あなたの会社の本社機能が大人気か、役立たずかわかるしくみとは(Getty Images=写真)

私がこれまで見てきた企業の中で、このモデルに沿ったプログラムを実施しているところは2社しかない。

これらの企業では、社員は利用するサービスについてどの提供者を使うかを選ぶことができ、そうすることでシステムをくつがえして、社内の部門間の競争を生み出している。これらの企業の一つでは、2つのチームが市場調査、事業分析、事務支援という似通ったサービスを提供していた。一つのチームは本社にあり、もう一つのチームはそうしたサービスを自前で提供するようになっていた部門の一部だった。時がたつにつれて、社員は本社部門のチームより、より質の高いサービスを提供する事業部門のチームを選ぶようになった。

その結果はというと、社員がよりよいサービスをより迅速に、より低コストで受けられるようになった一方で、本社部門は厳しいときを迎えた。数人の社員は配置転換され、ニッチ分野に取り組むための研修を受けたが、ほかの社員は解雇され、コスト削減のために彼らのポジションは廃止された。さらに、本社部門が同じサービスを業者を使って提供していた分野では、業者は、サービス水準、コスト、納期、品質について新しい社内基準を満たさなければならないと言い渡され、そうしなければ契約を打ち切ると通告された。最終的に一つの業者は契約を打ち切られて、まもなく倒産したが、もう一つの業者は新しい条件を受け入れ、より厳しい基準の下でサービスを提供する方法を見つけ出した。

組織に市場原理を持ち込む意義

職場に競争を生み出すというのは、論議を呼ぶこともあるやり方だ。だが、よく考えてみれば、競争はすでにある。われわれはそれが企業の営みのありふれた一部であることに慣れ切っているので、たいていそれを競争とは認識していない。だが、実際には、予算策定の過程で資源をめぐって競争しているし、総額が決まっているボーナスや成功報酬の配分をめぐって、また昇進や新しいポジションをめぐって競争している。

市場の力は必ずしもすべての組織で有効に作用するわけではないかもしれないが、あなたの組織では本当にうまく作用するかもしれない。もしできるならば、あなたの会社の本社機能が大人気の教師か、それとも役立たずかを確かめてみるための提案をしてはどうだろう。

(ディプロマット=翻訳 Getty Images=写真)
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