・「腹を据える」リスクをとる勇気を

最も優秀な部下を、人目を引くポジションやプロジェクトにストレッチアサインして、彼らが注目を浴びたり経験を積んだりする手助けをすることも大切だ。時期尚早かもしれないポジションにつけるというリスクをとらねばならないこともある。

ある大手テクノロジー企業の修理サービス担当副社長は、直属の部下が別の部署について不満を言うのを聞いて、その部下をプロセスと協働の問題に取り組む部署横断チームのリーダーに任命することにした。高業績をあげていたものの、チームプレーヤーとしては芳しい実績を残していなかった彼にとってはまさにストレッチアサインメントだった。幸いプロジェクトは大成功し、この経験によって彼は部署横断的なパートナーシップを築く能力を高め、キャリアに大いに役立っている。

万が一失敗した場合でも、部下を非難してはいけない。上司のなすべきことは、あくまで部下に手を差し伸べ、失敗の分析の手助けをして、失敗をも能力開発の機会に変えることだ。

上司自身のパフォーマンスにも注意しなくてはいけない。前述の副社長は、部下をリーダーに任命しようとしていたときには、彼女自身も全社的なプロジェクトのリーダーに名乗りを上げたばかりだった。上司がリスクをとっていたからこそ、部下も比較的楽にリスクをとれたのだ。

(翻訳=ディプロマット)