掃除・炊事・洗濯が手抜きされる本当の理由

(4)夫が嗅覚的に劣化するから

男には劣化がないのかというと、当然たくさんあって、その中でも最も資産下落するものは、解雇といった劇的なものを除けば、嗅覚的劣化である。近年「スメハラ」という造語ができたように、中年以上の男のにおいの劣化は会社のみならず家庭内でも問題である。女子社員の「うちの課長、どうしてあんなにクサイの?」といった男にも、妻が存在しているわけで、実際には悪臭の最大の被害者は妻なのである。

悪臭の原因は、加齢臭と呼ばれているノネナールのほかに、にんにくを食したり、喫煙したり、強い香水をつけたり、工業用アルコールがたっぷりと入った安酒を飲んだり、歯のクリーニングを行わなかったり(1年間で歯のクリーニング率は40代で37%、50代で43%のみ)することで生じている。夫婦の良好な関係を維持するためには、人工的なにおいはできる限り排除することが賢明である。歯のクリーニングをしない夫が、仕事の帰りに同僚と居酒屋に行き、喫煙席に座り煙草を吸い、あるいは受動喫煙で洋服がニコチンくさくなり、安酒をたくさん飲み、にんにくたっぷりの料理を食して、酔っぱらって帰宅した後の妻の苦痛たるや、想像を絶するものがある。