アドバンテッジ リスク マネジメント社長 鳥越慎二氏

アドバンテッジ リスク マネジメント社長の鳥越慎二氏によると、評価のされ方は露骨極まる。上司から「チームに入ってくれ」と声がかかるか否か、だ。顧客企業から仕事をとってきたマネジャーはプロジェクトチームを編成する。当然、「こいつはできる」と思う人から招集するのだ。

「あるとき、自分だけどのチームにも入っていない時期がありました。評価されていないのかなとすごく悩みましたね」

声がかからなくなったらどうすればいいか。鳥越氏は飲みに誘ってくれた同期入社の年上社員のエピソードを教えてくれた。このように語りかけられたという。

「それは考えても仕方がない。評価は自分でコントロールできるものじゃない。おまえはおまえでしかないんだから、自分にできることをしっかりやって、それでダメなら会社を辞めりゃいい。おまえの価値観に合わない会社なんだから」

鳥越氏は救われた思いがしたという。

「たまたま(声がかからないだけ)なんじゃないの。おまえはこんな仕事をやってきて、それはマネジャーたちも評価していた。ちょっと時間のスパンを広げて見てみれば、今一瞬、暇なだけだと思うよ」

時間だけでなく空間を広げることも有効だ。鳥越氏はシカゴでのビジネススクール体験で目から鱗が落ちたという。

あるとき、日本文化を紹介するイベントをすることになった。鳥越氏らコンサルタントたちは、日本が世界的に評価されているものは何かとロジカルに考え始めた。その間に商社マンたちは、和食店に話をつけて焼き鳥の器具を借りてきた。

「当日、彼らの店は大好評でした。僕らが頭でうじうじと考えているうちに、すごい行動力と人的ネットワークで物事を前に進めていた。『世の中の価値って多軸なんだ』とようやく気づきましたね」

人づき合いがうまい人がいれば、行動力がある人もいる。優しい人もいて、頭がいい人もいる。それぞれの強みを出し合ってビジネスは回っているのだ。

ライバルに後れを取るのは辛い。焦る。しかし、時間と空間のスパンを広げて己を俯瞰して見る習慣を身につければ、必要以上に気に病むことはなくなるだろう。