便利な盗撮アプリが出回る!?

盗撮は増える一方である。警視庁の統計によれば、都内における2011年の盗撮事犯は263件だったが、12年には484件に増え、13年には633件と、2年間で2.5倍近くになっている。また、『平成25年警察白書』によれば、2012年中の全国における盗撮検挙数は2408件で、そのうち、カメラ付き携帯電話を使ったケースが約30%、スマホが約33%と、合わせて6割以上を占めている。犯罪が行われた場所は駅の階段・エスカレーターが28%、ショッピングモールなど商業施設が約29%となっている。

盗撮で使われているのが、撮影時のシャッター音を消す「無音撮影アプリ」だ。ネット上には多くの無料アプリがあふれている。シャッター音なしで、中断するまで連写し続ける機能をもったアプリもある。

最近、出回っているアプリはさらに悪質だ。「忍者カメラ」(最新版は「忍カメラ」)は、シャッター音が消えるだけでなく、スマホ画面をブラウザに偽装する「隠カメラモード」や、画面を真っ黒にして不使用状態に見せかける「闇カメラモード」をそなえている。

忍者カメラの開発者はこのアプリの使用目的を「眠っている赤ちゃんや、音に敏感なペットを撮影するときに使ってほしい」などと書いているが、盗撮利用を前提にしていることは明らかだろう。なにしろ、このアプリには「秘密アルバム」もあり、暗号を入力しないと撮影した画像を見ることのできない機能もある(最近では「自撮り」と呼ぶ自分の撮影も流行っており、ハイアングルや手が届かない場所から撮影するためのスマホ用スティックも売り出されている。これも自分や友達と楽しむだけならいいが、その長さを利用して盗撮に及べば犯罪行為である)。

安易にこうしたアプリをインストールしている人もいるかもしれないが、盗撮事件の増加によってあらぬ疑いをかけられるケースも出てきた。