頭を使えばスコアはすぐに縮められる

SGPは新しい指標のひとつにすぎない。いずれは一連の「稼いだ打数」指標を使い、ティーショット、アプローチ、ショートゲームを測定して、互いに比較できるようになる。こうした新しい指標により、これまでの指標に欠けていたショットの質に関する情報がもたらされるはずだ。いずれ、そう遠くないうちにショットデータが自動的に収集され、指導するプロやコーチに自分のプレーに関する客観的な情報が送られるようになるのではないかと思う。その情報に基づいて、どのショットを練習してどの部分を修正するべきかを判断するわけだ。

フットボール、バスケットボール、サッカーなど、多くのスポーツで劇的な変化が起こりつつあり、トップクラスのリーグで戦うチームはデータや分析を活用して選手たちの実力を測定し、メンバーや作戦を決めるようになっている。同じように細かなショットデータを活用すれば、ゴルフももっとうまくプレーできるようになる。プロはあらゆるショットがアマチュアよりうまいだけでなく、グリーンの読み、パッティングのマネジメント、コースマネジメントといったクラブを使わない技術でもアマチュアを凌駕している。

多くのアマチュアは自分の実力を過信し、ハザードの影響を甘く見てリスクの高いショットを選択した結果「ミスショット」が多くなって大叩きをする。スイングをいじらなくても、もっと頭を使ってプレーするだけでスコアはすぐに縮められるのだ。

統計に基づいて直感と定説の両方を詳しく分析してきたが、証拠に基づいて分析したからといって、正しい攻め方を導き出すための数学的な公式が存在しないこともわかった。ゴルファーは常にライや風の状況、ピンポジション、グリーンの起伏、自分の腕前で思い通りの弾道とスピン量のショットが打てるかなど、ショットごとに変化する状況を判断しなければならない。

数字によってゴルフというゲームの面白みが損なわれることはないどころか、さらに面白くなる可能性を秘めている。アナウンサーが「このピッチショットは難しいですね」と言う代わりに「同様のショットは半分が20フィート以上ショートしています」と言う日が待ち遠しい。「エルスは17番ホールのセカンドショットを4フィートに寄せて0.8打を稼ぎました」と言うこともあるかもしれない。

多くのスポーツには、アナウンサーが選手のプレーを一言でまとめる成績データがある。試合が終わったときにアナウンサーがティーショット、アプローチ、ショートゲーム、パッティングの優勝への貢献度を伝えてくれるようになる日がやがて訪れるだろう。