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沖縄県知事 翁長雄志(おなが・たけし)
1950年生まれ。75年法政大学法学部卒業。85年那覇市議会議員初当選。2014年12月沖縄県知事に就任。


沖縄・普天間基地の辺野古基地移設阻止を訴えて、3選を目指す現職仲井眞弘多氏を破り、10万票の大差で当選した。「ウチナーンチュはぶれない」、そう昂然と言い放ってつかんだ「沖縄アイデンティティ」の勝利の瞬間だった。

父は旧真和志村村長、兄は県副知事も務めた政治家一家生まれ。那覇市議2期、県議2期を務めた後、2000年、那覇市長に当選。当時は自民党県連幹事長で、32年ぶりの保守系市長登場と話題になった。もともとは辺野古基地移設容認派。だがその血は生粋の沖縄人。鳩山政権が一時的に県外移設の模索を始めたとき、反対派に転じた。「保守は保守でも沖縄の保守。基地は沖縄経済の疎外要因でしかない。基地とリンクさせた経済振興策は将来禍根を残す」。今回の選挙では保守も革新も巻き込んだ「オール沖縄」で、日本政府や米国政府を向こうに沖縄の本音を訴えた。とはいえ、辺野古移設反対派だった仲井眞氏が知事になってから沖縄振興予算確保の条件と引き換えに容認派に転じた例がある。辺野古移設は米国との国際公約であり国策。県民の総意とはいえ、今さらこれを動かせるのか。

翁長氏は知事着任後ワシントンに駐在員を置くと発表、国の頭越しに米国政府に働きかけていく模様だ。対米人脈も意外に太く、国際世論を動かす可能性も。だがそれは、台頭する中国の脅威を前に日米安保の絆を揺るがしかねない。東アジア情勢の行方を左右する県知事の言動に今後も注目せざるをえない。