総選挙で自民党が圧勝したのを受け、首相官邸と財務省のバトルが再開される。官邸と財務省は2014年11月、消費税の10%引き上げを巡り対立。予定通り15年10月からの引き上げを唱える財務省に対し、首相は景気後退を理由に引き上げ時期の延期を主張。首相が財務省を押し切り、予定より1年半、増税時期は先延ばしされた。

「財務省の影響下にある自民党税制調査会を拠点に、財務省は首相と攻防。元大蔵官僚の野田毅党税調会長が会見で首相の引き上げ延期を批判したが、官邸は『反対するなら総選挙で公認しない』と恫喝。それが効いて、次期衆院議長に色気ありとされる野田氏は首相批判をやめた」(自民党税調議員)

この戦いに勝った首相官邸は、対財務省の第二ラウンドにも勝利する。舞台は佐賀県知事選(12月25日告示、15年1月11日投開票)だった。

「知事選には財務省出身の佐々木豊成・TPP政府対策本部国内調整総括官が出馬予定だったが、12月1日、官邸の圧力で出馬見送りに追い込まれた。知事選では、同県武雄市の樋渡啓祐市長も党県連に推薦願を提出。一方で樋渡氏は菅義偉官房長官に佐々木降ろしを働きかけたとされる。結局、『TPP(交渉)を成功に導くため手伝ってもらいたい』と甘利明経済再生担当相に頼まれる形で、佐々木氏は立候補を断念させられた」(自民党代議士)

そして舞台は第三ラウンド、消費税の軽減税率導入を巡る戦いに移った。

「自民党と公明党は消費税10%引き上げと同時に、生活必需品への軽減税率を導入することを連立政権合意に明記したが、財務省、自民党税調、経済界は『対象品目の絞りこみが大変』『複数税率だと経理が複雑』などと反対。これに対し首相は、そもそも消費増税じたいに消極的で、軽減税率についてもどちらでもいいが、世論調査では自民党支持者の8割が軽減税率導入に賛成していることから、人気取りのために軽減税率導入に傾いた。新聞各社も新聞に軽減税率が適用してもらえることを期待して、軽減税率導入に前向き。軽減税率を導入して新聞社を味方につけたいところだろう」(全国紙幹部)

第三ラウンドのゴングが鳴った。