昨年7月に起きた、顧客情報の大量流出がまだ記憶に新しいベネッセコーポレーション。10月31日に行われた2014年9月中間決算発表会見にベネッセHDの原田泳幸代表取締役会長兼社長が登場し、注目が集まった。

発表では、同期の最終連結損益を10億~90億円の赤字とし、上場以来、初の赤字転落を予想。原田社長は「黒字を諦めてはいない」と言うが、現実問題としては難しいのではないか。

むしろ注視すべきは今期ではなく、今年4月にどれだけ新規顧客を増やせるかだ。実は、個人情報流出による退会者数は意外と少なかった。14年4月に365万人いた日本国内の総会員数は10月の時点で325万人。もちろん業績に影響はあったが、あれだけニュースになったことを考えれば「意外と」少なかった、というのが率直な感想だ。

原田社長は前述の発表会で、今後の方針として、DMを使わない新規顧客の開拓を打ち出した。それに代わる方法として大きく以下の3つを挙げている。

1つ目は、ベネッセの社員が学習相談にのる施設「エリアベネッセ」の開設。まず青山と西葛西の2カ所にオープンし、全国で500カ所まで増やすという。2つ目が、教育相談室の設置。学習計画を指導することを目的として、こちらも全国に展開する予定だ。そして最後に、セミナーの開催である。

まだ詳細はわからないところも多いが、これまでの同社と決定的に違うのが、すべて受動的な方法だということ。DMをガンガン打って新年度に膨大な新規顧客を得る能動的な手法から受け身の体制となって、今年の新学年スタート時にどれだけ顧客を増やせているか。

海外通信教育事業や介護事業が好調に伸びているだけに、この結果次第でV字回復もありうる。今はその結果を待ちたい。