4.やるべきことを後回しにしていないか

口は達者だけれど、行動が伴わない人は、どうやら大昔の中国でも嫌われていたようです。

君子は言に訥(とつ)にして、行に敏ならんことを欲す。

言葉はとつとつとしていたほうがいいけれど、行動・実行はキビキビと早いほうがいい、という内容の論語です。

口でぶちぶち言ってばかりいないで、まずやってみることの大切さを語っているわけですが、まったくその通り。

多くの経営者を見てきた私としては、この意見に大いに納得できます。

この論語のキーワードは「敏」ですが、この漢字には「頭をフル回転させる」という意味合いも込められています。経営コンサルティングをしてきたなかで感じるのは、とりわけ優れた経営者や管理職は、「明日延ばし」にすることはないということ。彼らは情報を入手したら、すかさずディシジョン・メイク(決定)したり、今すぐ行動に移したりする傾向が人一倍顕著です。

こうした成功者に多い「訥言敏行」な人は、性格的にせっかちと言えるかもしれません。逆に言えば、のんびり屋で成功している人を私はあまり見たことがありません。

せっかちすぎると周囲の人はそれに振り回されて迷惑ですが、成功者はそのあたりもわきまえています。内心では早く早くとせっかちになっていても、周囲の人にはゆったり行動しているように見せることもあります。

せっかちの利点は、経験値の高さです。即行動の人は、成功も失敗も、良いことも悪いことも、経験する回数が多くなります。また、失敗しても、それを踏まえて人より先に改善策を打ち出すこともできます。

逆に、のんびり屋の仕事の共通点は、スタートが遅いこと。朝出勤しても、コーヒーを飲んで、新聞を読んで、やっとパソコン立ち上げたと思ったら無駄にネットサーフィンして……。時間を無駄にしているのは明らかです。

仕事は、やはり「先憂後楽」「訥言敏行」が基本です。