30年後に金持ち家族でいるためには、マイホームのエリア選びが重要なポイントの一つになるが、30年も先のことがわかるものなのか、疑問に思えてしまう。しかし、東京カンテイ上席主任研究員の中山登志朗氏は、30年後に価値が上がるエリアかどうかは「賃貸相場」で見極めることができるという。

「客観的に判断できる不動産の資産価値は、所有者がその物件やエリアをいかに評価するかではなく、他者がどれだけの評価をするかで判断します。この他者の評価は、交通利便性、生活の利便性、居住快適性、物件の個別性、物件の安全性といった5つの要素に分かれます。これらすべてを満たすのは、駅から徒歩10分圏内で商業施設、質の高い医療機関、教育施設などが充実していて、『何かと便利』と評されるようなエリアが該当してきます。特に最近の購入者は、便利であること(交通利便性)と、安全であること(物件の安全性)のバランスを重視するようになっています。

そして、こうした他者の評価を測る指標に物件の販売価格がありますが、建設業者、内装や仕様などといった物件の個別性の要素が大きく反映してしまうため、使える指標にはなりにくいのが実情です。その一方で『住みたい』ニーズが高ければ上がり、ニーズが低ければ下がりやすいのが賃料相場です。30年後の賃料水準は予測が難しいものの、他者が高い評価をしているエリアは『住みたい』というニーズが今後も維持されることも考えられ、一つの目安になります」

では、いったい賃貸水準が高いエリアとはどのようなエリアなのだろう。(本文最後「賃料で見た30年後も期待できる駅別ランキング」参照)

首都圏は坪単価(300万円以上・未満)別に70平方メートルに換算した近隣の賃料相場の上位駅ベスト10を示したのだが、千代田区、港区内の駅が目立つ。一方、近畿圏は坪単価(150万円以上・未満)別、中部圏は価格帯を区切らずに70平方メートルに換算した賃料の上位駅ベスト5で、いずれも交通利便性がよい、都心または都心にダイレクトアクセスが可能な地域がランクインしている。特にその傾向が顕著なのは中部圏で、利便性が向上して、新築物件の資産価値が大きく上がった名古屋市営地下鉄沿線の駅が上位の大半を占めているのが特徴だ。