「付加価値のある人」になる

そして、いよいよプレゼンテーションのシーン。「入りたまえ、話を聞こうじゃないか」と招き入れられ、面談に向かうE君。ここに、第二の壁があります。めりはりのある自己紹介、正確なお辞儀、名刺交換、時間をいただいたことのお礼、つまり、きちんとしたビジネスマナーができるかどうか、マナーは身を助ける、といいます。清潔な身だしなみとともに、マナーは自分自身の知性の表現であり、相手への敬意を表すことでもあります。そして、相手の表情や仕草を観察しながら、伝わる話し方をすること。時折笑顔や相づち、感謝の言葉などを折りまぜ、伝えるべきことを分りやすく話して行く。

そうして、相手は思うのです。「話はムダがなく論理的に整理され、わかりやすい。押し引きの呼吸も見事で、提案の良さも伝わってきた。何よりも、人柄に惚れた。僕の第一印象はあやまりではなかったな。よし、導入するなら彼にまかせよう」。

このとき、E君は第二の壁もクリアしたのです。商材は他社製品とさして変わりません。成約意志決定の決め手になったのが、人、つまり営業パーソンの印象です。商材に差別化が困難になったいま、営業パーソンこそ、自分の持てるポテンシャルを最大限に「見える化」して、自ら商材の付加価値となるべきなのです。