2014年12月1日(月)

指示が細かく、毎日怒鳴る上司に腹が立つ。対処法はあるか

出口治明の「悩み事の出口」

PRESIDENT 2014年9月29日号

著者
出口 治明 でぐち・はるあき
ライフネット生命社長

出口 治明1948年、三重県生まれ。72年京都大学法学部卒業、日本生命入社。92年ロンドン事務所長、95年国際業務部長、98年公務部長。2006年生命保険準備会社ネットライフ企画株式会社を設立、同社社長に就任。08年生命保険業免許を取得、ライフネット生命保険社長に。2013年6月より現職。

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出口治明 構成=八村晃代 撮影=市来朋久
――指示が細かい上司。ヒステリーじゃないかと思うほど、毎日怒鳴るし……正直、頭にきます。

上司は職場環境を左右する最大の要因です。これは今も昔も、全世界共通。上司次第で仕事が楽しいか辛いかも決まってしまいます。

――今の上司は、他部署からリストラのような形で異動してきたんです。あきれるほど仕事ができないくせに、めちゃくちゃ細かくて。

上司と部下の組み合わせは「順列組み合わせ」で無限にあるわけです。あなたが嫌いな上司も、ある人にとってはいい上司かもしれません。でも、上司部下がそんな幸せな組み合わせになる確率は非常に低い。「上司と合わない」というのは、不幸でもなんでもありません。よくある話です。

正攻法としては、まずあなたの悩みを会社の人事部など、然るべき人に言ってもいい。大局的に見れば、会社としても良い組み合わせのほうが得ですから。

――仕事の内容自体は、自分に向いていると思っているので、異動したくはないんですよね……。

じゃあ今の上司を前提に考えましょう。あなたは上司に腹を立てているようですが、それは「上司の性格がいつか変わってくれるかもしれない」という考えが、どこかにあるからじゃないですか? でも人間はそう簡単に変わるものではありません。ましてや、部下であるあなたの都合がいいように変わってくれたりはしません。だったら頭を切り替えて、「この合わない上司の下にいる時間が楽しくなるように工夫しよう」と考えてはどうですか? たとえば、「どっちが細かいか対決」はどうでしょう。上司に細かいことを言われたら、さらに細かく反論する。ゲーム感覚で、「今日は二勝一敗で僕の勝ち」とか、星取表をつくってみるのも一興です。

腹を立てても自分が苦しいだけで、何の解決にもなりませんよ。「遊んであげる」くらいの気持ちの余裕がないとダメです。「僕だけがこんなひどい上司の下で……」という被害者根性に凝り固まると、仕事は辛くなるばかりです。

――そうですね。僕ももうちょっとでブチ切れるところでした……。

私の経験則では、すぐに怒鳴るような上司は、同じように怒鳴り返せば、シュンとなりますよ。

――えっ、もしかして出口さん、上司に怒鳴り返した経験あるんですか?

はい(笑)。あなたの上司が、相性の問題でなく、ひたすら部下をいじめるような、誰から見ても理不尽な上司なのなら、こっちも一度キレてみてもいい。「うるさいです! グチャグチャ言わないでください!」と大声で怒鳴り返すのです。

キレやすい上司にとって、黙って「すみません、すみません」と叱られている部下が一番やりやすく、怒る部下はやりにくい。「細かさ対決」もそうですが、実は人間は、自分と同じようなタイプの人間には弱いのです。

Answer:細かい上司には「細かさ対決」で勝負しよう

出口治明(でぐち・はるあき)
ライフネット生命保険会長兼CEO

1948年、三重県生まれ。京都大学卒。日本生命ロンドン現法社長、国際業務部長などを経て2013年より現職。

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