キャンパス再編で関東ローカル化進む

その青山学院大の志願者数は、55,893人で昨年より670人減少した。しかし、大学全体の実質競争率(受験者数÷合格者数)は5.5倍と高く、早慶上理、MARCHと呼ばれる首都圏難関総合大学の中で、早稲田大の5.6倍に次ぐ高競争率だった。志願者が減っても、入試は厳しかった。

改革によって、大学合格者ランキングはどう変わったのだろうか。もっとも大きな影響を与えそうな改革はキャンパスの再配置だが、今年の結果を見ると、ベスト10すべてが神奈川の学校となった。相模原キャンパスが神奈川にあることから、もともと神奈川勢が強かったが、今年はそれがさらに強まっている。青山キャンパスでも神奈川からは通いやすいこともあるようだ。

トップは26年連続となる桐蔭学園で91人合格。2位が桐光学園の77人、3位が川和の67人と続き、以下、山手学院、洗足学園、横浜共立学園の順となった。

ただ、千葉からの合格者も増えている。公立一貫校に代わって13年に初めて卒業生を送り出した稲毛は、キャンパス再配置前の12年と比べて33人増の41人だ。その他でも市川も12年と比べて15人増の40人、同様に昭和学院秀英は23人増の39人と大きく増えた。また、東京の東部に当たる江戸川区にある江戸川女子も22人増えて43人となり倍増している。今までは自宅から相模原キャンパスへの通学が厳しかったと見られ、キャンパス再配置によって合格者が増えていることが分かる。

青山学院大も首都圏の他大学同様、合格者の1都3県(埼玉、千葉、東京、神奈川)への集中が進んでおり、04年の64.9%から今年は73.5%に上がっている。1都3県外の合格者は55位の茨城にある竹園の28人がトップで、関東地方外となると19人合格の愛知の千種まで出てこない。1都3県からの合格者が多いことが、はっきり読み取れよう。

(宇佐見利明=撮影)
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