水の都、大阪の復興を目指すシンボルイベントとしての「水都大阪2009」が8月22日から始まりました。たまたまART OSAKA2009(8月21日-23日)、堂島リバービエンナーレ2009(8月8日-9月6日)に行く用事があったので、廻って見てみました。同時期に開催していたこの2つのイベントは、関連性があるような、ないような、微妙な関係を感じましたが、大阪でそうした現代アートのイベントが重なることは珍しく、1日楽しむことができました。

「水都大阪2009」水都アート回廊で、適塾に展示されている今村源の作品。現代アート作品を巡りながら、歴史にも触れる。適塾では、たった1冊の辞書でオランダ語をたくさんの若者が独学した。
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「水都大阪2009」水都アート回廊で、適塾に展示されている今村源の作品。現代アート作品を巡りながら、歴史にも触れる。適塾では、たった1冊の辞書でオランダ語をたくさんの若者が独学した。

「水都大阪2009」は大阪府、大阪市、関西経済界が一体となり、「水都大阪」再生の街づくりムーブメントを創出するためのイベントです。環境問題や地域振興といった現在の日本のホットな課題も内包するイベントだと思われます。その中にあって、大がかりな作品で知られ、今回も巨大な「ジャイアント・トらやん」が大阪市役所の入口に展示されている現代アーティストのヤノベケンジが狂言回し役を演じているように、現代アートがこのイベントの重要な役回りを担っています。このトらやんは、大阪生まれでバーコード頭にちょび髭の腹話術人形から出来たキャラクターで浪花・大阪で生まれヤノベケンジの活躍と一緒に世界中を旅しているのですが、今回は久しぶりの大阪へ戻ってきたということになっています。

「水都大阪2009」は、水辺の文化座、アート船プロジェクト、水都アート回廊などといったコンテンツで成り立っており、10月12日までの52日間で、160組以上のアーティストによる作品に触れるチャンスがあったり、来場者が参加することによって、変化し続けるアートイベントになっているのが大きな特徴です。水辺の文化座では、中之島公園の中に、「つくる」、「あそぶ」「はなす・みる」という3つの機能を持たせた7つの仮設小屋を設置し、アーティストが中心になってワークショップを行うもので、会期中に100以上のワークショップが実施されます。

「水都大阪2009」水辺の文化座で展示している淀川テクニックの作品。淀川テクニックは、大阪の淀川に落ちているゴミ、漂流物などを使って作品を作るアートユニット。
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「水都大阪2009」水辺の文化座で展示している淀川テクニックの作品。淀川テクニックは、大阪の淀川に落ちているゴミ、漂流物などを使って作品を作るアートユニット。

「アート船プロジェクト」では、遊覧船にヤノベケンジが装飾を施した全長17メートルの「ラッキードラゴン」船が停泊。週末には中之島を飛び出して、歓楽街の道頓堀や木津川沿いの工業地帯へいき、スペシャルゲストとナビゲートしながら巡ることになっています。さらに「水都アート回廊」では、大阪の歴史的建造物にアート作品を展示しています。

例えば、アーティストの今村源は緒方洪庵の適塾で、河口龍夫は日本銀行大阪支店や芝川ビルで、といったように、江戸時代や昭和初期の大阪の繁栄を刻んだ古い建物と現代アート作品のコラボレーションは、見ごたえがあります。実はテレビなどで橋下徹知事の記者会見の背景に「水都大阪2009」というポスターが何度か見えたのですが、アートが重要な役回りを演じていることは全く知りませんでした。大阪に行ってみて初めて気付いた次第です。