仕事の意味づけが人の行動を変える

【竹内】そうした進化を促す際に理念はどのように関係するのでしょう?

【山名】経営が考えるべきは、人財の持つ潜在力、ポテンシャルを最大限に引き出すことです。売上利益は大切ですが、数字だけで人は動きません。一人ひとりにとっては、何のためにこの仕事をやっていて、社会的にどういう意義がどうあるのかが、自分のなかでちゃんと腹落ち感を持てていることが重要です。仕事の意義に腹落ち感を持てると、人の行動は変わります。行動は外から変えるのはなかなか難しいものです。チェンジとだけ言っていても何をやったらいいかわからない。事業の目的を示す理念があると、そこから仕事の意味づけのヒントを得ることができます。

たとえば情報機器事業でいうと、設備投資の面で顧客企業のコスト削減に貢献できることは理解できても社会的な意味合いがイメージしにくいところがあります。しかし、我々は、お客様のビジネスの一部となって貢献していることが少なくない。ビジネスパーソンのワークフローを変革し、より創造的にすることで、お客様企業が活性化する。お客様の革新のためにさらに先を想像し、我々ができることを責任をもって実現することには社会的な意義があるはずです。