場所や時間に縛られない学びの場

おんぶ、抱っこ、授乳しながらディスカッション

そもそもこの勉強会はNPO法人マドレボニータの提供する産前・産後ボディケア教室で国保さんと知り合った岡野さんが「経営の勉強をしたい」と希望したので、慶応ビジネススクール出身の国保さんがプログラムを考え始まったものです。

これまで全10回開催、のべ97人が参加しています。(2014/11/9時点)。

しかし、場所や時間に制約される本来の学びの場とは違い、その柔軟さには驚くばかり。静岡在住の国保さんがスカイプでファシリテートすることも珍しくありません。

参加者は1人目または2人目の育休中の20代後半から40代の女性。産前休暇中の妊婦さんや3人目の方もいます。そろそろ中間管理職として、プレイヤーからマネジメントへの転換を求められる時期。すでに管理職の立場の人もいます。この研修で経営や管理職視点の面白さに目覚めたという声もたくさんありました。

「経営目線で考えることの難しさと、面白さを知りました。ひとつの内容でも、考える立場などによって、これほど違う見え方をするのかと! 育休をキャリアの中断ではなく、他分野の知識やスキル習得の期間にすることが出来ました。職場にも『レベルアップして帰ってきました!』って言えそうです」 (川内小百合さん、30代前半、医薬系サービス。12月に復帰予定。子ども0歳)

国保さんによれば、この勉強会の学習内容は以下の3点。

(1)管理職思考に移行するための挑戦課題
中原淳「駆け出しマネジャーの成長論」(中公新書ラクレ)の7つの挑戦課題を身に着けることで、プレイヤー思考から管理職思考にシフトすることを目指す。
●具体的な挑戦課題……[1]部下育成[2]目標咀嚼[3]政治交渉[4]多様な人材活用[5]意思決定[6]マインド維持[7]プレマネバランス

(2)女性リーダーに特有の挑戦課題
女性リーダーに特有の課題に対しても働くことを前提に解決策を考える問題解決思考を身につける。

(3)女性が直面する「壁」を疑似体験する
子育てをしながら仕事をしていることで陥りやすい苦境を事前に疑似体験しておくことで、いざというときに冷静に対処できるよう気持ちと環境を備えることができる。