ミラノからユーロスター特急に乗り、2時間半。列車から見える風景が突然、海になると、ヴェネチアの入口である終着駅、サンタルチア駅に到着です。

ヴェネチアの町中が会場。あちこちに「ビエンナーレ」の案内が立っている。
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ヴェネチアの町中が会場。あちこちに「ビエンナーレ」の案内が立っている。

今年も2年ぶりに、地元の人々も楽しみにしているヴェネチアビエンナーレが始まりました。ヴェネチアビエンナーレの起源は、ヴェネチア市議会が国王ウンベルト一世の銀婚式のお祝いとして開催を決めたアートの国際展で、1895年、第1回目が開催された時には、来場者数22万人を記録しました。

2年に一度を意味するイタリア語の「ビエンナーレ」はすでに世界中の大規模国際展に受け継がれ、定着しています。過去、戦争や紛争で中止になったこともあったのですが、1995年には100周年記念事業を行い、今回で第53回目を迎えました。

歴史があり、会期も長く(今年は6月7日から11月22日まで)、国別パビリオンがあり、世界的マーケットにも強い影響力があることから、「アートのオリンピック」とも称され、世界で最も権威ある大規模国際展になっています。

初参加のアラブ首長国連邦は、オープニングに王族も出席した。
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初参加のアラブ首長国連邦は、オープニングに王族も出席した。

メイン会場となるのはジャルディーニ公園と巨大な造船所跡地のアルセナーレ。ジャルディーニ公園にある各国パビリオンは、土地こそヴェネチア市のものですが、建物はそれぞれの国の予算で建築されています。パビリオンを持たない国は、今回の中国やアラブ首長国連邦のようにアルセナーレの会場の一部を使用したり、ヴェネチア市内の古い教会や集会場などを使って展示します。今年はモンテネグロ、モナコ公国、ガボン共和国、コモロス諸島、アラブ首長国連邦の5つの国が初参加し、史上最多の77カ国が参加しています。

ちなみにヴェネチア国際映画祭や建築展などもすべて、大きな枠でヴェネチアビエンナーレのプログラムの一つとなっています。長年ヴェネチアビエンナーレの主催はヴェネチア市でしたが、2005年からは財団の運営となりました。それと同時に、ビエンナーレカードが導入され、本来は現代アート関係者しか入れなかったベルニッサージュ(オープニング)に、カードを購入すればコレクターやアートファンも入れるようになり、運営の方向が少しずつ変化しつつあります。