面倒見のいい駒場東邦、聖光学院が躍進

2014年、躍進した学校を見ると、もっとも合格者が増えたのが駒場東邦で16人増の75人で、過去最高の合格者数となり初の70人台突入となった。栄光学園が15人増の67人、久留米大付設が14人増の38人。その他では表にはないが、早稲田(東京)が14人増の26人、甲陽学院(兵庫)が13人増の24人、岡山朝日(岡山)も13人増の23人などと伸びている。

駒場東邦だけでなく過去最高の合格者数となったのが聖光学院の71人、豊島岡女子学園の33人、表にはないが攻玉社(東京)の21人などだ。

駒場東邦や聖光学院はこのところ大きく合格者を増やしている。いずれも中学入試では偏差値の高い人気校だ。上位の一貫校は放任主義で生徒の自主性に任せているところが多い中、この2校は面倒見が良いことで知られ、保護者の人気が高い。

このような一貫校の伸びに対して、改革が進む公立校では、日比谷が13年より8人増えて37人で公立トップの14位。13年公立トップだった浦和・県立は13人減の33人にとどまった。中高一貫生が14年初めて卒業した千葉・県立は13年より合格者が4人減って21人にとどまった。地元塾の講師がこう話す。

「県のトップ公立高が中高一貫校になった全国初のケースで、その分、期待も大きかったのですが、東大に合格した一貫生は3人にとどまったと見られ、意外に伸びなかったのが実感です。一貫校にしたから、すぐに大学合格実績が伸びるわけではありませんから、今後に期待したいところですが、うまく育てられなかったのも事実でしょう」

東京大の関東ローカル化が進めば、ますます首都圏の一貫校の実績が伸びると見られる。16年入学者から始まる東京大の推薦入試で、地方からの合格者が増える可能性はあるが、ランキングまでには影響を与えないと見られている。一貫校の強さはまだまだ続きそうだ。

(宇佐見利明=撮影)
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