業界、会社とともに成長する

私の仕事道具:ノート、電卓。この2つは会議のときは必携。記録を取ることと数字を意識することは、仕事の基本。規模の大きな国際会議の場合は何年も前から誘致を始めるため、10年カレンダーも欠かさず持ち歩く。

その後、担当する会議の規模は次第に大きくなり、企画、誘致、営業と責任範囲も広がりました。そこにはもちろん私自身のスキルアップもありますが、コングレ自体が業界のリーディングカンパニーへと成長してきたこともあります。さらにはコンベンション業界そのものが発展・注目されてきたことも大きく影響しています。

近年でいえば、アベノミクスの成長戦略に私たちの業界を示すMICE(マイス)も含まれています。Meeting(会議・研修・セミナー)、Incentive tour(報奨・招待旅行)、Convention/Conference(大会・学会・国際会議)、Exhibition(展示会)の頭文字をとった造語。

国際会議の企画運営からスタートしましたが、会議運営に必要なスタッフを採用・教育することから、博覧会の運営にも携わり、そのホスピタリティを活用して、科学館や水族館などの文化施設の運営へと事業内容が広がりました。そしてコンベンション施設の運営も行い、大阪に自前のコンベンションセンターを設立し地域への貢献も心掛けています。

コンベンション施設を作り、それを中心として街の再開発をはかる動きが全国であり、私自身も自治体からの依頼で、地元向けの説明会に出席したり、基本計画の策定に参画したりしています。冒頭で述べた「設計図の読み方」の勉強会が、私たちの仕事に今まさに活用できているのです。

伊田欣司=構成 向井 渉=撮影