「女らしさお願い」はチャンス

いっぽう、ファッションやヘルス、美容系の女性ライターは、うなる程人数がいます。つまり、女性ライターにとって、かの地は血で血を洗う激戦が繰り広げられる「レッドオーシャン」。

他方、ビジネスや人事系は「ブルーオーシャン」だったというわけです。

さらに、最近では、人事やビジネスの領域で「女性活用」や「育児と仕事の両立」はホットトピックに急浮上しています。

そして、こうしたネタは男性ライターより女性ライターが書いた方が得意だし説得力があるに決まっている。

このコラムにしても、タイトル通り、「女の言い分」を言う役回り。だから、私のような、これといった才能も取り柄もない女に仕事が回ってくる……というわけです。

つまり、私が何を言いたいのかというと、働く女性が「女らしさお願い」なんて言われたら、それは「チャンス」だということ。

その仕事は男には手出しできない「ブルーオーシャン」だと認識して、ここぞとばかりに持てる力を惜しげもなく発揮すればいい。

デキる男が参入することのできない領域なのですから、好き放題やってみる。それが、女性がしたたかに自分の居場所や得意分野を固める最もやりやすい手段な気がします。

佐藤留美
1973年東京生まれ。青山学院大学文学部教育学科卒。出版社、人材関連会社勤務を経て、2005年、企画編集事務所「ブックシェルフ」を設立。20代、30代女性のライフスタイルに詳しく、また、同世代のサラリーマンの生活実感も取材テーマとする。著書に『婚活難民』(小学館101新書)、『なぜ、勉強しても出世できないのか? いま求められる「脱スキル」の仕事術』(ソフトバンク新書)、『資格を取ると貧乏になります』(新潮新書)、『人事が拾う履歴書、聞く面接』(扶桑社)、『凄母』(東洋経済新報社)がある。東洋経済オンラインにて「ワーキングマザー・サバイバル」連載中。