快晴の山梨リニア実験センターに続々と集まる報道陣。9月22日、JR東海は報道向けにリニアの試乗会を開催した。営業仕様の最新車両L0(エルゼロ)系が、山梨県上野原市から笛吹市までの42.8キロを時速500キロで駆け抜けた。

この日、一般試乗者の動線も公開された。まるで空港でのチェックインのようだ。バッグの中を確認され、金属探知機をくぐる。物々しい印象を受けるが「お客様の安全と安心のための措置です。体験乗車はこの形式で行う予定ですが、実際の営業開始時にどうなるかは検討中です」(JR東海職員)とのことだ。その後、タッチパネル式の発券機でチケットを発券。QRコードをかざして改札を通過する。

そしていよいよリニア試乗だ。肩慣らしのように270キロで走行したのち、一旦停止し、走行方向を転換。みるみるスピードを上げ、時速約180キロでタイヤ走行から浮上走行へ切り替える。走行開始から3分たらずで時速500キロに到達。ものすごい加速のはずだが、それを実感するのは難しい。加速は非常に滑らかで、シートに押しつけられるような感覚もない。東海道新幹線の最高速度は時速270キロ。約2倍の速度が出ているにもかかわらず全く違いを感じない。持ち込んだ湿度計を見てみると、50%を示している。飛行機、特に長距離飛行では湿度が20%を切ることもあるので、その点でも快適だ。最高速での走行を約2分間続け、今度は減速。減速時は時速約160キロでタイヤ走行になる。このときは若干の衝撃があったものの、最初から最後まで満杯に入れたコップの水がこぼれることはなかった。

試乗後、報道陣の質問に答えた山梨リニア実験センターの遠藤泰和所長は「データ上は現行の新幹線と比べても遜色がないレベルの乗り心地だが、一般試乗者からのフィードバックも受けてさらによいものにしていきたい」と熱意を語った。JR東海の発表によれば、11月から始まる体験乗車の倍率は84倍を超えるという。時速500キロの世界に世界中から熱い視線が注がれている。