大学の再就職講座で違うキャリアを知る

森本香惠子さん 39歳
勤務形態:週5日 9:30~16:30
長女7歳 次女4歳
1974年生まれ。96年大学卒業後、関西ペイントに入社。2000年結婚により退職。関東へ移り、2社で派遣社員に。03年に再度、夫の転勤で関西へ。 派遣や契約社員を経て、05年12月長女の出産のため退職。08年に次女を出産。09年関西学院大学の講座を受ける。10年インテグラル・テクノロジーに パートタイマーとして勤務。12年4月より正社員となる。
森本香惠子さん 39歳

「専業主婦時代は、夫の収入に頼っていました。再就職と同時期に尼崎市に一軒家を購入したのですが、いま、家族や家計に貢献していると実感しながら仕事をしています」

そう語るのは、大阪市でソフトウエアの開発を手がける「インテグラル・テクノロジー」で社長秘書を務める森本香惠子さんだ。彼女はいまの職を得るまで、こんな話が気になっていた。

仕事を離れた女性が、再就職できる期限は3年――。

新卒で入社した関西ペイントで4年間、秘書や総務を担当した森本さんは、同僚との結婚を境に退職。夫の勤務先である神奈川県に移り住む。

「当時、扶養控除内で働くかどうか夫と話し合いました。けれども、控除内で働くとなると仕事が限られてしまいます。仕事をする時間の調整も難しかった」

そこで森本さんは、02年4月からフルタイムの派遣社員として、半導体部品メーカーとハードディスク製造会社に約1年ずつ勤務した。その後、夫の転勤で帰阪。外資系IT企業に職を得る。06年、長女を出産するが、派遣社員から契約社員へと契約を変えた直後だったことから、勤続年数が足りず育休は認められなかった。

「不完全燃焼だったんです」と森本さんは語る。

「地に足をつけて働こうと思った矢先に慌ただしく環境が変わるので、仕事をやりきったと感じる瞬間はありませんでした。もし次に仕事をするなら正社員で、と考えるようになりました」

仕事から離れて3年が過ぎた08年に次女を出産。森本さんは34歳になっていた。

再就職の期限は3年。そしてリーマンショックの影響で派遣切りが話題になった時期だった。