円安は、早くもガソリンなど物価を押し上げ始めた。「給料が上がるまで待てない!」というあなたに贈る、副収入で家計を守る方法。

条件や能力に応じ企業に「逆提案」する

田中たえ子さん 37歳
勤務形態:週3日 9:30~17:30
長男6歳 長女4歳
1975年生まれ。大学卒業後、語学学校などを経て外資系パソコンメーカーで電話による内勤営業を務める。2006年に長男を出産。産休・育休を経て復職 するが、08年長女の出産のため退職し、専業主婦として育児に専念する。12年6月「ビー・スタイル」の「EXEパート」に登録。12年9月より「イノ ベーション」の契約社員として働く。
田中たえ子さん 37歳

天職――。かつて外資系パソコンメーカーに勤務していた田中たえ子さんは、内勤営業に対し、そんな実感を抱きながら働いていた。

内勤営業とは電話による営業活動だ。田中さんら内勤営業が企業に次々と電話をかけて商品を売り込み、外勤の営業担当者を送り込むアポイントを取る。企業規模に応じて担当が分かれていて、田中さんは超大型のクライアントを任されていた。収入の4割ほどがインセンティブ。勤務した7年間で年収は500万円を下回ることはなく、1000万円に迫る年もあった。

「ヘッドセットをすると人が変わるといわれるほどでした」と田中さんは笑う。31歳で長男を出産。育休を経て、当然のように職場に復帰した。仕事と育児を両立させるつもりだったが、実際には以前のように働くことは難しかった。勤務を軽減してもらうため、1年ほどサポート役に回ったが、物足りなさを感じた。子どもの発熱などで早退することもあり、同僚に迷惑をかけるのも辛かった。第2子の出産を決めたとき、天職とまで感じた仕事を諦めた。

退職から3年が過ぎた。長女も長男と同じ「子ども園」に入園し、時間的に余裕ができた。子どもたちの将来の学費に備えて復職を考えはじめる。

そんなとき、ママ友に勧められたのが主婦向けの人材派遣サービス「ビー・スタイル」だった。検索すると「年収500万以上だった方へ」というバナーが目に入った。2012年6月から「EXE(エグゼ)パート」という新サービスをはじめたところだった。同社の金子絵里香さんはこう解説する。

「10年ほど前までは、扶養控除が受けられる年収130万円、または103万円以下となるように、週2~3日で10時から16時くらいというパートタイム型の仕事を希望する方々が大勢いました。でも最近は、サポート的な業務では能力を生かしきれないような女性が増えてきました。『EXEパート』では500万円以上の年収があったかどうかを目安としています」