2014年10月11日(土)

なぜ、同居する父の介護を妻に頼まなかったか?

介護ドキュメント 親を看取るということ【14】

PRESIDENT Online スペシャル

著者
相沢 光一 あいざわ・こういち
ライター

1956年生まれ。月刊誌を主に取材・執筆を行ってきた。得意とするジャンルはスポーツ全般、人物インタビュー、ビジネス。著書にアメリカンフットボールのマネジメントをテーマとした『勝利者』などがある。

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フリーライター 相沢光一=文
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親を施設に入所させると感じる、罪の意識

年老いた親がいる人の多くが、いつかは直面するのが介護の問題です。

私の場合は一人っ子で、実家で一人暮らしをしていた父親に健康不安があったため数年前から同居しており、当然私が介護をすることになりましたが、兄弟がいる人も兄弟全員が平等に介護の負担をするケースは稀でしょう。

結局、親の家の近くに住んでいる人がより多くの介護負担を負うことになります。

要介護度が重くなったり認知症が加わったりすれば、その負担は増すばかりです。ホームヘルパーなどの介護サービスに頼っていられる状況ではなくなり、つきっきりの介護が必要になります。そのため仕事を辞めざるを得なくなる人も少なくありません。仕事を辞めればつきっきりで介護ができる反面、収入の道が断たれるわけで、よほどゆとりのある世帯でない限り経済的な不安がのしかかってきます。

施設に入ってもらう、という選択肢もあります。

親のなかには、子に負担をかけたくないと自ら施設に入る人もいますが、仮にそう考えていても要介護状態は不意にやってくるものであり、それが間に合わないこともある。

子が親を施設に入れるというのは、かなり重い決断です。介護保険が適用され、金銭的負担が少ない特別養護老人ホームは満杯で今は入所が不可能な状態。親の年金が潤沢なら、それで賄える有料老人ホームもありますが、入所させると厄介払いをするような罪の意識が働きますし、ご近所から「あの家の息子たちは冷たい」と言われそうです。

そんなこんなで躊躇しているうちに在宅介護が始まり、子のうちの誰かひとりが負担を背負い込むことになるといったことが多いのではないでしょうか。

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