ぜんそくやアレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎など年々増えているアレルギー疾患。1年の中では、湿気が多くカビが気になる梅雨時でもなく、空気が乾燥する冬でもなく、秋に一番症状が出やすいという。

「アレルギーの原因になるハウスダストが最も多いからです」

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年間のダニの数とダニアレルゲンの量 出典:高岡正敏、平成22年度埼玉県建築物衛生管理研修会講演資料「建築物の衛生管理とダニ害について」

こう教えてくれたのは、ながくら耳鼻咽喉科アレルギークリニック(東京)の永倉仁史院長だ。ぜんそくや鼻炎、アトピーなど子供のアレルギー疾患の主な原因はハウスダストといわれている。ハウスダストの9割は“チリダニ”由来。チリダニは人間の皮膚を刺すダニとは違う種類のもので、体長0.2~0.4mm。死骸やふん、唾液がハウスダストとなる。とくに死骸は細かくなり空気中を舞うので、アレルギーの原因(アレルゲン)になっている。

チリダニの数自体は気温と湿度が上がる6月から増え8月が最も多い。そして、9月下旬から10月にかけて気温が下がり、チリダニの死骸が増えることでハウスダストは増加する。

「季節の変わり目は、朝晩の気温差により鼻などの粘膜が敏感になることもあり、毎年この時季になると患者の数が増えます」

ぜんそくの発作で親子とも眠れない夜を過ごしたり、鼻炎の鼻づまりで眠りが浅かったりとアレルギー疾患は睡眠にも影響を与えることが多い。効果的な対策はないのだろうか。

「ダニが繁殖しやすいのは、気温が25~30度、湿度が60~80%の環境。気温が高い日はエアコンの除湿機能を使い、ダニの繁殖を防ぎましょう。そして掃除を徹底することです。掃除機をかけるだけでなく、週に数回の床や棚の水拭きが効果的です」

ダニは布に付きやすいためカーテンは定期的に洗濯を。ソファは、革製や合成皮革を選ぶといい。最も大きな落とし穴は寝具だ。

「ダニを熱で殺すには、50度の熱で20分以上といわれています。天日干しでは表面にいるダニが内側に移動するだけでダニの量は変わりません。掃除機などでダニや死骸を吸い出すことが有効です。さらに、繊維の編み目が細かい布でできた『防ダニカバー』をかけて布団の中からダニを出さないようにする方法もあります。ベッドを使っている人には、低反発マットレスなどのウレタン製のものならダニが付きづらいですよ」

畳もダニが好む場所。最近は内部がプラスチックでできたものなどダニが付きにくいものがある。

フィンランドやカナダ、中国など、7カ国で住宅のチリダニの数を調べた調査では日本が最も多い結果になったそう。チリダニには過ごしやすい高温多湿の日本では、掃除を徹底するという対策しかなさそうだ。