今回のケースでは生命保険は支払われる

まずは、気になる生命保険の死亡保障や医療保障から。答えてくれたのは、生命保険に詳しいファイナンシャルプランナーの内藤真弓さんです。

「今回のケースでは、医療保険も含め、生命保険の保険金は支払われますのでご安心ください」

生命保険の死亡保険金には、普通保険金と災害保険金の2種類があり、免責の条件がついているのは災害保険金だけとのこと。たとえば、死亡保険金が「病気死亡1000万円、災害死亡3000万円」となっている場合、1000万円が普通保険金、災害死亡時に上乗せされる2000万円が災害保険金です。

普通保険金は、被保険者が亡くなった場合、原因に関係なく支払われます。一方の災害保険金では「地震・噴火・津波による場合は免責や減額の可能性がある」などと定められていますが、これは、災害の規模が非常に大きくて、保険会社の経営が成り立たなくなるような場合に限られます。医療特約や医療保険についても、災害保険金と同様の扱いです。

「東日本大震災のときも、生命保険の保険金は全額支払われました。今回の噴火についても、免責の規定を適用せずに全額支払うことを、すでに生命保険協会が発表しています」(内藤さん)

もっとも、東日本大震災を超えるような大規模な災害が起きたとしたら、保険金が支払われない場合も出てくるかもしれません。それは頭に入れておいたほうがよさそうです。

損害保険の保険金は支払われない

生命保険のほか、損害保険にも災害による死亡やケガを補償する商品があります。たとえば傷害保険や旅行保険、レジャー保険など。こうした保険では、今回の噴火で保険金を受け取ることができるでしょうか?

「残念ですが、損害保険では、今回の噴火の被害で保険金を受け取るのは難しいと思います」

と言うのは、損害保険に詳しいファイナンシャルプランナーの清水香さん。傷害保険、旅行保険、レジャー保険などを含め、損害保険商品の契約には「地震・噴火またはこれらによる津波による損害は免責」と明記されていて、こうした場合に保険金を支払うことは想定していないようです。例外として「地震・噴火・津波による損害も補償する」といった特約をつけている場合には保険金が支払われます。

なお、「地震・噴火・津波」による損害が免責になるのは国内の場合で、海外の「地震・噴火・津波」による損害は補償されるとのこと。

「国内における地震・噴火・津波のリスクがいかに高いかを示している、と考えてください」(清水さん)