白物家電は通信技術との融合で新たな提案を

――冷蔵庫や洗濯機などの「白物家電」、複合機などの「ビジネスソリューション」の今後はどうなりますか?

【高橋】白物家電は、生活を支えるものですから絶対になくならないと考えています。また、ASEANでは普及率が低く、まだポテンシャルがある。そして、今後は通信との接続で新たな提案もできる。私は、シャープの白物家電は、これからもっと幅を広げなくてはいけないと考えています。私が白物事業を担当していたときには、プラズマクラスターイオン技術は空気清浄機のひとつの機能でしたが、いまではエアコンや冷蔵庫、洗濯機、掃除機、ヘアドライヤー、扇風機などにも搭載されています。こうした横への広がりはシャープならではの特徴です。

もうひとつは小物商品をもっと増やしていきたいですね。かつては、ぜんまい式の髭剃りも商品化していたんですよ。電池もいらないし、どこにでも持っていける。こんなものがたくさんあった。大きな市場だけを狙いにいくのではなく、もっと顧客視点に基づいた、小さな市場を狙っていくことも必要だと思っています。

一方で、ビジネスソリューションは、中小企業やコンビニエンスストアなどに多くの顧客を持っています。その強みが発揮できる領域です。私は、この分野も担当していたことがあり、10年には米国のトップディーラーの前で、「あと2年で紙はなくなりますよ」と極端なことを言ったことがありました。それはいまでもずっと考えています。もしかしたら、紙は残るかもしれない。だが、複合機を中心としたままのビジネスソリューションは、決していいビジネスにはならないのは事実です。ではどこに突破口があるのか。オフィスの効率化という観点でみれば、別のチャンスがあると考えています。ここでも通信技術との融合が必要になりますね。すでに電子黒板の「BIGPAD」や、Windowsタブレットとの連携提案、あるいはクラウドとの連動といったことにも取り組んでいます。