太平洋クラブが発足して43年、日本のゴルフコースを取り巻く環境は大きく変わった。バブル期、バブル崩壊、そして……。その中で翻弄されながらも、太平洋クラブは新たな一歩を踏み出した。ゴルフをより楽しんでいただくために。

1971年に太平洋クラブが誕生して43年が経過した。発足した当時、全国17コースすべてでメンバーとしてプレーできるという斬新なメンバーシップコースとして話題を呼び、翌72年から、総武CCにて太平洋クラブマスターズ(現・三井住友VISA太平洋マスターズ)を開催。77年、現代の名匠といわれる加藤俊輔氏が設計する御殿場コースに舞台を移し、美しいコースで繰り広げられるトーナメントは、ゴルフファンならずとも、秋のビッグトーナメントとして常に注目を集めている。

緑の毛氈(フェルト)を敷き詰めたようなフェアウェイ、要所に配されたウォーターハザード、そして、マスターズが行われるオーガスタナショナルGCを彷彿とさせる速いグリーン……、この美しい舞台で戦った世界のトッププレーヤーたちもその戦略性を高く評価。2001年には『WGC EMC ワールドカップ』も、御殿場コースで開催されている。数々のドラマがこの舞台で演じられてきたが、中でもワールドカップ最終日の最終ホール、アメリカチームをプレーオフに導いたタイガー・ウッズの劇的なチップイン・イーグルは、ゴルファーの記憶に刻まれている。

富士山ビューのすばらしい御殿場コース18番ホール(トーナメントのワンシーン)

さて、御殿場コースに代表される太平洋クラブだが、17コースすべてが高いクオリティでゴルファーのゴルフライフに貢献してきた。

現状に甘んじることなく、より高いクオリティを求め、4年間で約43億円の資金を投入。ゴルフクラブの財産であるコースのメンテナンス、補修を行うとともに、メンバーライフ、また、訪れるゴルファーにゴルフの楽しさ、醍醐味を味わってもらうために、オリジナリティあふれるコースづくりに余念がない。

新たな発想のショップ
「Select The Club」

太平洋クラブは、プレーの楽しさ、醍醐味を充実させることは言うまでもないが、クラブライフを、新しい形で提案する。

Select The Club
御殿場コースのプロショップが10月にリニューアルオープン。三井住友VISA太平洋では多くのギャラリーが訪れ、いままでのショップとの違いに驚くはずだ。

そのひとつが『Select The Club』だ。これまでのゴルフコースのショップといえば、クラブ、ボール、ゴルフウェアなどゴルフ関連グッズに限られていた。しかし、『Select The Club』は、まったく異なるショップだ。これまでのショップと同様にゴルフ関連グッズはもちろんだが、それに加え、太平洋クラブならではの商品をラインアップする。

太平洋クラブ御殿場コース副支配人の小林氏は、「いわゆる街のセレクトショップと思っていただけるといいですね。世界のトップブランドとコラボレーションしたウェアやバッグ、小物類など、他では手に入らない品物を取りそろえます。太平洋クラブセレクトショップという位置づけですね。ただゴルフをするだけにコースに来ていただくのではなく、プレー後は、『Select The Club』でショッピングを楽しんでいただければと思います」と語る。

それとともに、御殿場ウエスト、軽井沢リゾート、白河リゾートの3コースに併設されたホテルを『Hotel The Club』としてリニューアル予定。いわゆるゴルフコースのロッジではなく、ホテルライフを満喫できるクオリティを持たせるという。

来年は江南コースで
日本プロゴルフ選手権を開催

太平洋クラブが積極的に取り組んできたのがトーナメント。前述した三井住友VISA太平洋マスターズは今年42回目を迎え、今年度のマスターズチャンピオン、バッバ・ワトソンが出場。そして、あらたにゴルファーの底辺の拡大、ツアー振興を目的とし、若手育成のために太平洋クラブチャレンジトーナメントを美野里コースで開催、六甲コースではベテラン勢の味のあるプレーを楽しんでいただくためにマルハンカップ 太平洋クラブシニアを行った。そして、来年、江南コースにて日本プロゴルフ選手権大会を行うことが決まっている。

真の名門を追求、世界に誇れる
ゴルフ&リゾーツを目指す

最高のコンディションのコース、豊富なオリジナリティあるグッズがそろえられたショップ、洗練されたレストラン、優雅なひと時を過ごすホテル、そして、なによりもフロントからキャディにいたるまですべての従業員のホスピタリティ・マインドが、コースを訪れるゴルファーにとって快い一日を約束してくれる。

今年、香港のザ・クリアウォーターベイG&CC、スリランカのロイヤルコロンボGC、マカオのマカオG&CCとレシプロ契約した。今後も海外トップクラスのゴルフ場とのレシプロは拡大・継続していくという。そして来年1月には新規会員権を600万程度で募集する計画もある。

これまでのクラブの歴史や伝統を継承しつつ、新しい形を構築していく。新生・太平洋クラブは、進化をやめない。