ユーザーの知らないところで機能する

一方、アーキテクチャーによる規制は、ユーザーには見えにくい。前回取り上げた自動フィルタリングがその典型である。このことをレッシグは「法や規範、市場は、人間の判断によってチェックされる制約である。だれか人間やグループがそうしようと決めたときにだけ効力を持つ。でもアーキテクチャーの制約は、いったん動き出したら、だれかがそれを止めるまで効力を持ち続ける」「アーキテクチャーの制約は、その対象者がその存在を知ろうと知るまいと機能する」と書いている。

私たちは、タコツボに閉じ込められていて、しかもそのことに気づかない。

ちなみに私が提唱しているサイバーリテラシー3原則<(1)サイバー空間には制約がない、(2)サイバー空間は忘れない、(3)サイバー空間は「個」をあぶりだす>は、現段階におけるサイバー空間のアーキテクチャーであると同時に、メディアとしてのインターネットの特徴でもある。

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